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インスタのおまけ

Twitterを活用した「心底美味しい」飲食店開拓術

 

誰からも頼まれていないが、それなりに有益だと信じているので紹介。最後まで読んでいただければ、各界隈で「心底美味しい」とされているお店を大抵は発見できるようになる。ページの最後に付録も有り。

注意していただきたいのは、この記事は「味」に関しての話でしかなく、雰囲気の良し悪しや写真映えの度合は全く考慮していない。

 

結論から言うと、検索ワード(クエリ)次第で芋づる式に美味しい店を引っ張り出すことができる。そして以下に示す①〜③を心がけると、求めている店の発見に近づく。

 

①「自分が友人へおすすめする時の文面」の再現

②口語的表現の使用

③いくつかの専門用語をぶち込む

 

一旦具体化してみよう。

『東京で「パティスリー界でも憧れとされている」美味しいケーキ屋さん、具体的にはイデミスギノ、パリセヴェイユ、リベルターブルのいずれかを見つける』

これをテーマにする。そして7つほど、異なる検索ワードでTwitterを漁ってみることにする。

 

検索ワードその1 

「東京 ケーキ おすすめ」

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うーん、スクロールしたけど厳しい。求めていない本が表示されているし、アフィリエイト垢が適当に乱発している記事が主になっている。

 

検索ワードその2

「東京駅 ケーキ おすすめ」

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地点を少し絞ってみたがどうだろう。1枚目は直ぐに食べられるかと言えばなんとも分からない。2枚目は完全に案件やバズ狙いで使われるテンプレ構文である。以降はほぼこの連続。検索ワード1とも共通する問題点だが、そもそも東京駅という主語が非常にでかい故、当たりのツイートはあるだろうに完全に埋もれている。きつい。

 

検索ワードその3

「東京駅 ケーキ おすすめ 穴場」

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お!出てきた!が、ヒットは1件のみ。検索ワードを重ね掛けしているので当然である。

ちなみに検索窓での「穴場」はドボンワードだと考えていいと思う。アフィ系や案件垢が先回りして「絶品タルトケーキ!xx付近の穴場カフェ5選!」等と銘打って紹介しているが、紹介された時点で穴場では無くなる。そしてクチコミを見る限り、紹介される前からそもそも穴場でないというブチ切れ不可避ケースも多い。今回は一般人のアカウントが出てきたが、ちょっと検索ワードをミスれば一発で袋小路に入りうる。

 

初手で調べる検索ワードはこの辺りに収束するのではないかと思う。

ではここから、最初に提案した①〜③を参考に検索ワードを策定してみる。

 

例えば僕は、東京駅付近は京橋にあるイデミスギノに心底陶酔している(た)が、もし友人に勧める際はこんな感じの文章になるだろう。

 

「東京駅前なら京橋にあるイデミスギノはめっちゃ美味い!とにかくムースは食べたやつ全部美味かった!おすすめなやつだとアンブロワジーかな、スペシャリテだったはず」

 

これを調べる時点で「イデミスギノ」「アンブロワジー」は知らないのだから検索ワードに入れるのは無理。重要となるワードは「京橋」「めっちゃ」「スペシャリテ」「ムース」あたりだろう。答えに「ケーキ」という文字が必ずしも入らないこともミソである。

・地名をとにかく限定する

・「めっちゃ」など、公式アカウントが使いづらい口語的表現を入れてみる

・「スペシャリテ」など、ちょっと調べれば分かる専門用語を安易に入れてみる

 

これらを踏まえて調べ直してみよう。

検索ワードその4

「京橋 ケーキ めっちゃ」

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うおっ。ムースじゃなくて「ケーキ」でもちゃんと出てきた。

検索ワードその5

「京橋 スペシャリテ

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これも上から2件目にイデミスギノ登場。スペシャリテという言葉はフレンチやイタリアンにも共通なのでデザート以外の記事も出てくるが、どれも練度の高いお店ばかりで大抵外れはない。ここまで来たら後は芋づる式にいける。

検索ワードその6

「イデミスギノとか おすすめ」

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どうだろう。「エーグルドゥース」「パティスリーリョーコ」という新たな同格がどんどん出てきた。ちなみにどちらもケーキ好きで知らない人はいない超絶美味い名店である。

 

検索ワードその7

「イデミスギノ エーグルドゥース」

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めっちゃ出てきた。オーボンヴュータンも超有名だが同格で上げてくるのが渋くて良い。2人目はもっと分かりやすく、明らかにパティスリー界に片足以上を突っ込んでいるファンのそれである。目標ワードの一つであった「パリセヴェイユ」もここで登場している。と、お分かりのように単に投稿だけでなく「ツイート者のケーキ習熟度」も著しく上昇している。ここまで来ると検索せずとも、この人のプロフィールに飛べばニッチの確立された店やド級の穴場がドカドカ出てくる。

以上、7つの検索ワードを出してみたが如何だろうか。検索の文字数が増えたわけでもないし、ケーキに限った技術でもない。独り言や会話的性質を孕むTwitterのタイムライン機能に着目すれば、その界隈で何が本当に貴重とされているものか見えてくる(気がする)のである。

もちろん、Twitterだけでは評価しづらいのでいくつかのサイトのレビューから総合的に判断することが必須である。何より、今回は「イデミスギノ、パリセヴェイユ、リベルターブル」と答えがある前提で進めたが、大抵はノーヒントで、答えとなる店舗を予め推測or答えっぽいワードを見た時にそれを答えだと断定する能力が必要となる。暫定の答えを定める方法についてはもう一本記事を書いたので、是非読んでいただけるとありがたい。これです↓

https://310jpn.hatenablog.com/entry/2022/08/24/165759

 

少し長くなりましたが以上です。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

 

----おまけ(言い訳&付録&自分の求める雰囲気の店を探す方法)----

【言い訳】

以上は巨人の肩に乗るための方法を提案したに過ぎず、xxで働いたとか△△さんが高く評価したから美味い、といった権威主義を推奨するものではありません(とはいえ、個人の経験則として、第一線で経験を積まれた方のケーキを食べて衝撃を受けたことは非常に多いですが)。そこで前評判に左右されずに自分の評価軸を持てるかは別の問題なので、今回の議論の対象としません。

 

【付録】

ケーキ屋さんを探すときにおすすめの専門用語をいくつか並べておきます。これを入れるだけで、練度の高いアカウントが積極的にヒットするようになるのでおすすめです。

パティスリー (=ケーキ屋さん)

デセール (仏語のデザート)

スペシャリテ (自信作、傑作)

ルレデセール (ざっくり言うと日本が世界に誇るパティシエ。ルレデセールで修行して独立した店舗なんかだと、界隈ではとんでもない脚光を浴びる)

エシレ (エシレバター。ルレデセールや素材ガチ勢の店舗がよく使っているフランスの発酵バター)

ビスキュイ、ガレットブルトンヌ、コンフィチュール、コンポート...その他食べたいお菓子の仏語版で検索

 

一旦この辺にしときます。

是非組み込んでみて下さい。

 

【雰囲気探しへの応用】

理想の雰囲気を見つける時も同じ方法は使えるはず。例えば緑を眺めながらカフェでゆったり寛ぎたい場合は、

「都内なら 景色 カフェ」あたりで検索をかけてみる。

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椿山荘のアフタヌーンティーがベタにヒット、ここからはGoogleを使って手探りに広げてみる。

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えっ

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おいおいおいめっちゃ穴場っぽいところ出てきたぞ!!!こんなところあったんか!庭園を見ながらゆっくり休憩できるスポットだし求めていた雰囲気そのもの!

 

...という感じです。ちなみにフォレスタに一度行ったことがありますが、せわしない空気は全くなくゆっくり寛ぐことができました。今回はたまたま一発で見つけましたが、少しずつワードを変えてやると5回以内にそれっぽい穴場がヒットする印象です。

地道な闘いですが、その先に美味しいものが待ってると思うと頑張れますね。

 

最後の最後まで読んでいただきありがとうございました。